その壱-序章はコチラ。
つづき。
私は安堵し、そのままの勢いでエレベーターに乗り、5階のボタンを押した。
1階⇒2階⇒3階…。かすかにユーロビートが聞こえる。エレベーターが昇る。音はだんだんと大きくなる。
5階についた。扉越しに大音量のユーロビートが鳴り響く。扉が開いた。
「いらっしゃいませぇ~♪」
ボーイが2名、私の到着を待ち構えていた。直前に電話をしたゆえの行動だろうが、扉が開いた瞬間に待ち構えられていては、引き返すことも出来ない。
まぁ~もとよりそんな気はさらさらないのだが…。
エレベータから出る。と即座に受付だ。
「ご指名がなければ、今はこちらの料金です。キャンペーン価格で2000円引き。今なら6000円ですね」
エレベータ脇に掲示している料金表を指差し言った。初日で緊張しているのか。それとも、逃がさないぞと意気込んでいるのか。やけに早口だった。
が、私はいつも通りの対応。
「フリーでお願いします。スグですよね?」
と確認し、事前に用意していた6000円をポケットから取り出し、渡した。
料金を受け取り、確認するボーイ。枚数を数え終わると…
「ではコチラに」
とスグに案内。学園系ヤングサロンにも関わらず、消毒、うがいの類は一切なかった。
ボーイに連れられプレイルームに入る。
ここで少々驚いた。その理由は、ブースらしきものが見当たらなかったからだ。いや、正確にいうと見えていたのだが、初見ではそれらがブースだと認識できなかった。
私の目に映ったものは、2㍍弱の黒い板が左右均等に4枚ずつ並べられただけの簡素な空間。
そのときの私の視界を図に表すならば…
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こんな感じだ。衝立は横に長く、高さがそうないので、立った状態でみると背の低い板がただ並べられているだけに写る。
(あれ!?何かがおかしい)
そう感じるのは当然だった。なぜなら、案内されて分かったのだが、この『パラダイス』はフラットシートを採用している。しかも、まるで布団のような、横長のシートを採用しているのだ。
その大きさは、おおよそ縦50㌢横2㍍弱。嬢が来る前に試してみたが、これが見事に横になれる。さすがに縦幅がないので、2人で横に寝ようとするとかなり窮屈だが、折り重なって“チョメチョメ”する分には、なんら問題ないサイズだ。
そして、このフラットシートに添うように、さっき見た衝立がそびえ立つ。つまり、この衝立は背もたれ兼前後のブースの区切り目の役目をこなしているのだ。
ここまでご理解いただけただろうか?
少々言葉では伝わりにくいので、図形で示してみた。私には絵心がない。が、努力したので、何とかこれを参考にしてほしい。ブースを立体に見た図だ。
このブースが縦に4段。左右均等に並んでいる。
フラットシートということでブース内には靴を抜いで上がる。そしてその後、入口を衝立と同じ高さの黒いカーテンで覆う。
既に述べたように、衝立の高さは50㌢程度。普通に座っていれば何も見えない高さゆえ、前後の遮蔽は言うに及ばず。そして、入口をカーテンで覆う。これにより、左右の関係も完全遮蔽される。
序章の冒頭。基本システムの解説で述べた-棺桶のようなブース-この表現は、店内暗く、衝立、カーテン、シート上のシーツ。これら全てが黒で統一されているから。
これを立った状態。まさに上記、超略図の状態でみると、まるで棺桶が並んでいるかのように錯覚する。それから来る表現だった。
恐らく言葉では伝わりにくいと思う。だが、現場を見てもらえれば非常に納得できるだろう。もし、今後遊びにいく機会があれば、ぜひこの辺にも注目してもらいたい。
話は戻る。
広いシートの上…
(この広さがあれば、69も思いのままだな。さてどのように楽しもうか…)
と妄想を膨らませていたら、ボーイが飲み物を尋ねてきた。私はウーロン茶を注文した。スグに缶のウーロン茶が届けられた。もちろんこれは無料だ。
ウーロン茶を飲みつつ、嬢を待つ。その間、周囲に気を配るも、まったく人の気配がない。どうも客は私だけのようだった。
ウーロン茶の到着から待つこと3分程度だろうか。嬢が現れた。
いかにもコスプレ風のセーラー服に身を包んだお下げ髪の少女。名を「○り○」(基本、嬢の名前は公表しない方針なので、あしからず。ただ一言だけお伝えしておくが、「オキニ隠し」ではない)と言った。
実はこの時は何も気付かなかったのだが、後で確認したら公式OHPには載っていない女の子だった。
オープン初日、二日目、三日目…と毎日公式OHPを確認している。二日目には出勤スケジュールが公開され、三日目には在籍写真が追加されたが、不思議なことに未だ彼女の名前はない。
というよりも寧ろ、初日その時間、私以外の客がいないのは既にお伝えしたとおりだが、この他にも彼女以外の嬢の存在をまったく感じ取ることができなかった…。恐らく待機場であろう部屋からも、人の存在をまったく感じることができなかった。
10名近く公開されている在籍嬢。しかし、私についたのはその中には居ない嬢。そして、人の気配を感じない店内…。
初日ということもあるが、何かが可笑しい。
少々嫌な感じがする…。もしかして…と思うこともある。杞憂であればよいのだが…。
さて、ここから彼女とのプレイに入る。が、キリがいいから今日はここまでだ。
つづく。
To Be Continued.
-追伸-
すいません。前後半といいながら、三部作になってしまいました。今回で終わらそうと思っていたのですが、ついつい話が長くなって…。新店なのに情報の公開が遅くなり、申し訳ありません。
本当に次で終わらせますので、あと少しお付き合いください。