後ろ手に手錠をかけられる。アイマスクで視界を奪われる。ローターで乳首を刺激され、悦びの声をあげるとムチが飛んでくる。その姿を見て小悪魔がささやく。
「ウフフフフ。楽しいの?ねぇ、楽しいぃ?○○ちゃん?」
耳元から羞恥心を煽られる。小悪魔の吐息が肌を刺す。鼻息が荒くなり、自然と不思議な声が出る。
ここは新宿歌舞伎町、『ゴシップガール』という名の小悪魔が住みつく洋館。彼女たちは成人男子の精液を吸い、それを生体エネルギーに変え性活するという。
私は彼女たちの魅力に憑りつかれた名もなきM男。自ら進んで生け贄になる忠実な下僕である、いやそうありたいと願う者だ。
私が小悪魔に魅入られたのは約一ヶ月前。彼女らが歌舞伎町に住み始めた頃からだ。
コンセプト-小悪魔。美しくも気儘な小悪魔によるイタズラを交えた小悪魔プレイ。これまでにはない新感覚の受身型サロン…を期待していたのだが、内装こそ感動したものの、プレイは至って普通。
しかし、小悪魔の装い、美貌、小悪魔のエロス。さらには“らしくない”献身的な姿勢に心を打たれ、しばらくの間、親愛なる従僕でありたいと誓う。
その後、再訪を重ね、日が経つこと数日。ついに待望の事実が発表された。
それは、、、小悪魔プレイの解禁。歌舞伎町に住みつくこと一ヶ月。その間、我々Pメンとのコンタクトを経て、逢瀬を重ね、性癖を調べ、知識を身につけ、ついに我々に対する方針を固めた。
『GPG』公式発表にはこうある。
「当店は『悪戯好きの小悪魔』がコンセプトになります。エッチな小悪魔のおもちゃになっていただき悪戯されちゃうイメージプレイになります。普通のピンサロはもう飽きた。完全受け身で何もしないで気持よくなりたいという気分の時や、女性におもいっきり責められてみたい。おもいっきりいじめられてみたい。普段とは違う雰囲気や趣向で遊びたい。潜在的な隠れM男さんに快楽の場としてご利用していただきたい。(中略・一部改訂)」
また利用前の確認事項として…
「当店は基本的にお客様が受身のサービスになりますが、小悪魔主導のタッチはあります。小悪魔へのタッチ、リップなどは可能ですが、小悪魔主導を無視してお客様が責める行為は禁止させていただいております。(一部改訂)」
つまり「小悪魔プレイ」とは「プチ受身専門店」であり、且つ責めに対しては「許可制」であるということ。いわゆる嬢への責めは、プレイの主導者(主人)の許可(承諾)があって初めて行うことが可能であり、当然その前には「懇願(要望)」が前提行為として存在する。
要はMプレイである「小悪魔プレイ」を成立させるために、小悪魔を主人と崇め、我々はその従僕であるという「上下の関係」を基本事実として創り上げる。そうすることで、すんなりと非現実の世界に浸透することができ、プライドを捨て、恥じらいを捨て、己を捨てて、ひとりの名も無きM男として快楽に溺れることができるというわけだ。
分かりやすく言うならば…男女共に役(プレイ)に入り込みやすい雰囲気を創設する…そんなところだろう。
いま思えば『ゴシップガール』のこだわり抜いた店内環境や嬢の衣装などは、全てはこの日のため、このプレイのためであった…と確信する。
小悪魔の住まう洋館に生贄として誘い込まれる。小悪魔になじられ、罵倒され、嬲られ、虐められ、それでも美しき者たちの僕でありたいと願う。完全なる上下関係を作りあげることでMに徹する覚悟と役柄を意識させる。
すべては最高の小悪魔プレイを愉しむため…。
プレイの完成度を高めるため、『ゴシップガール』ではプレイ前にアンケートを取ることが決められております。今回、門外不出の「小悪魔問診票」を入手しましたので、特別にお見せいたしましょう。
簡単な質問から答えにくい、回答しずらい質問まで多岐にわたります。ですが、恥じ入っていては楽しむことができません。我々は下僕、生贄なのです。心の赴くまま、何も考えず、素直に直感で回答することで、理想に近い世界観が演出され、さらに小悪魔のテンションも増し、それに比例して快楽も増していくでしょう。
行為時に名前を呼ばれたとき、、、私は微かに残っていたプライドを捨て身も心も小悪魔へと委ねることができました。事前アンケートを真面目に回答することで、小悪魔(主人)にも認められ、M男に徹し切れたのです。
次回は実際に体験した小悪魔プレイをお届けしたいと思います。その前に本格化した『ゴシップガール』の基本理念と小悪魔プレイにおける「誓約」のご理解を深めてください。
つづく。
To Be Continued.