プロローグはコチラ
つづき。
「VRコース」が誕生して早一カ月が経過した3月の上旬。値段が下がった頃合いに秋葉を訪問した。
電脳の街 akiba
平日の夜、仕事を終えて、お店に電話する。
いつもと変わらぬ、明るくも声のデカイ電話番に「VRコース」と伝えると、約90分待ちとの返答。それは「VRだからか」と確認するも、そもそもの案内がその時間になるという。
『カワハイ』は女子が少ないのか、毎度毎度フリーでも60分待ちはザラ。特に夜の時間帯は混みあうケースが多い。それゆえに未来体験がここまで延期されてきた。
これまでも何度も電話をしてるのだが、どうにもこうにも時間が合わない。しかし、そのお陰で安くなった(後述するが2万が12千円まで落ちた)のも事実。それにこの日は比較的仕事も早く終わった。
そろそろこの辺りでケジメをつけないと…ということで、90分待ちを了承し、アキバに先乗りする。
電気街口を出て電脳の街をくまなく散策する。とある電気屋にてVR機材を調査し、とある同人ショップにて仮想空間で出会うであろう女子を連想する。
そんなこんなで、あれよあれよと90分…
途上、メイド喫茶のお姉ちゃんにチラシをもらおうとしたら、明らかなスルーをされるというハプニングもあったが、時間通りに昭和通り口のレンタルルームにインサート。
レンタルルームという実は仮想現実の入り口
レンタルルーム受付にて…
「どこから?」
「カワハイです」
「はい、カワハイさんね」
券売機のボタンを操作する。
VRコースは80分と50分の2種類。誕生当初は「80分20000円」の1本のみだったが、同志諸兄からの「高い!」とのクレーム(声)を受けて「50分12500円」が3月より登場した。
今回は初見ということもあり、仮想現実初挑戦ということもあり、お試しでトライする。
ルーム料金は60分で2000円。ここにコース料金12500円が加算されるので、未来体験 締めて計14500円。。。
近未来のシステムだ。この値段も仕方ないだろう。
薄くなる財布を握りしめ、9階への階段を駆け上がり、指定の部屋へと入った。部屋の中はこんな感じだ。
ベッドにソファー。ここに小さなテレビとタオルにティッシュ。あとは簡易的なシャワールームが備えられている。
宿泊施設での利用も可能だろうが、時間貸しだから高くつくだろう。それを考えればまさにヤルためだけの部屋と言えるだろう。
VRコースは、シャワーが必須らしいので、シャワールームの写メも撮ろうとしていたら、コンコンとノック音。
ルームに入ってわずか1分、早速 三次元のお出ましだ。
三次元が取り出す二次元の夢
扉を開けると、可愛らしい女子高生が立っている。
濃いグリーンのブレザーに紺スカート。足元は茶色のローファー。バッグもリアルJK仕様で、『カワハイ』らしいリアリティを追及した着こなし。そこらへんのピンサロとは大きく違う本物志向のコスプレ。さすがオタクが運営するだけはある。
その中で唯一違和感を感じさせる、いかにも風俗嬢の手提げバックの中にVRセットが入っていた。
「どうぞ」と嬢を部屋の中へ招き入れ、軽く挨拶。JKは○○と名乗った。
髪の毛はサラサラで、色が白く細身に見えるが、下半身の肉付きがエロイ。ルックスも十二分に可愛く、このままアキバの街にでてもリアルJKで8割型通用するだろう。
ドフリーでこのレベルが現れるのは『カワハイ』のいいところ。少数精鋭の選抜メンバー、待ちが長いのも、まぁ~納得できる。
嬢は挨拶もそこそこに、「もってきましたよぉ」と、手提げ袋から未来を取り出し始める。
「すっごい大事にくるまれてるんですよぉ」と梱包用のエアークッションを丁寧に剥がし、VRセット一式をベッドの上に置いた。
取り出されたものは…
①VR本体
②スマホ
③イヤホン
の3つで、VR本体は提督ブログで説明されていたものと同様のもの。スマホにはあらかじめお店スタッフに選ばれたアダルト動画がダウンロードされている。
その中から好みの動画を選び、選んだらVR本体をパカッと開き、ちょうど真ん中あたりにある装着部へスマホをはめ込む。
そして、それを頭からすっぽり被ると、、、近未来っ!バーチャルリアリティ、仮想現実の世界へようこそ。
となるわけだが、果たしてどのような世界なのか?
提督ブログによると…
こんな感じで進むそうだが、果たして現実は…
ちなみに私が選択した動画はコチラだ。
VR 装着
「じゃー被ってみて」
「うん。なんだかドキドキするよ」
「初めてだもんね~」
VR本体を手に取ると、ズシリとそれなりの重みを感じる。そしてそれをコンドームのように頭の先端にはめ、はまったらゴムバンドでスマホ画像を目の高さに調整していく。
耳からは早くもAVの隠語責めが聞こえるが、網膜に映りこむ映像は、リアルにはほど遠くまだ2.5次元といったところだ。
「どう?見える?ちゃんと見えてる?」
「ん、ちょっと、ちょっとまって、もうちょっとで見えるような…あっ見えた!?」
「…見えたよ?えっこれ見えてる??」
「見えてないのー?」
「あっいや、見えてる。見えてるよ。おぉ、、、おぅおおぅおおっ、、、」
なんとなんと目の前にリアルな女体が、、、浮かんでこないっ!!!いや、浮かんでいる?
まばたきをして目をリセットし、ピントをスマホ画像に合わせていくと、確かに映像が浮き上がって見える。さっき選択した平面の二次元画像が、目の前で立体的に3D画像として浮かび上がっくる。
が、ただそれだけだ。
私が思い描いていた近未来、8Kを超える高精細にして、まるでそこに人がいるかのようなリアルな映像はどこにもない。
率直に言うなら、ただの3D映像。
まさか、まさかこれが仮想現実、待ち望んだヴァーチャルリアリティーかっ!!!!?
というか、こ、これ、、VRなんて呼んでるが、もしかして、3Dゴーグルじゃないのか??これは単純にエロ動画を3D画質に変換して見ているだけでは…
未来から現代に感覚が戻りつつある。胸を打つ興奮が冷えていくのが分かる。
「見えたでしょう。ちゃんと立体で見えてるでしょ。凄いよね~」
嬢の得意げな言葉が、仮想現実は夢だったことを私に解らせる。
そうか、これが仮想現実の世界か。そうなのか。「いまの未来」はこれだったのか。エロ妄想だけが先走りすぎて、まだ技術が追いついていないのか。
俺の欲した未来はこれじゃない。しかし今の技術ではここまでが限界なんだ。これがいまできるエロの現実なんだ。
いまでこれだとしたら、バーチャルセックスなんてあと何十年かかるんだっ!!
あとどれぐらい男として生きていけるのか、残りの余生を思うと気持ちが焦る。しかし冷静に考えればこんなもんだろう。
思い起こせば、VR機材も私が想像していたのと違った。私が想像していたのは、ここへ来る前にも見た、ソニーのいかにも近未来を想像させるフォルムのものだ。ネット上でのゲーム動画などを見ても、いかにも未来を感じさせるもので、これをエロに投影したならば…
と、大いに期待したものだが、、、嬢が手に持ってきたものは、本体からして大きく違う。
そもそもプレステ本体がないのだ。プレステ版VRをイメージするのはお門違いだろう。しかもそれはしっかりとブログで説明されている。お店に一切の非はない。
が、まさか仮想現実が3Dゴーグルだったとは。
「どう?楽しい?音ちゃんと聞こえてる?いまどんな場面?」
嬢は無邪気な笑顔を見せている。いや、笑顔を見せているかは分からないが、声を聞く限り笑顔なのだろう。
嬢は愛想がいい。表情にどこか影があったが、なんとかして場の雰囲気を盛り上げようとしてくれるのが分かる。
目の前にはオッサンが変なゴーグルをつけて「あうあう」言ってるのに、、だ。彼女の目に映るリアルは、仮想世界で起こっている珍現象ではないのに、、だ。
それなのにこの場を、この空間を、このリアルを盛り上げようと頑張ってくれている。ならば、ここで意気消沈しているわけにはいかない。
彼女にVRの経験を尋ねてみると、以前一度だけ体験したことがあったようだ。だからか場慣れしているのかと思ったが、そのときは装着をしてものの数分で現実へ帰還したそうだ。そのあとは普通に三次元プレイをしたとのこと。
さもありなん。目の前に三次元の可愛いJK(もどき)がいるのだ。それを目の前にして、ただの3DゴーグルでAVを見ているだけだなんて、、、
いや違う!見ているだけじゃない!ここから生の三次元プレイが加えられるのだから。仮想現実にリアルな現実が融合するのだから、、、勝負はこれからだ!
つづく
to be continued