お疲れ様です。バカイチです。
今日と明日の二日間は、今年1発目の姫始めレポをご紹介いたします。と言っても、、場末体験談ですけどね。それも姫始めというか、ババア始めというか始まってないというか。
取り立てて面白くもありませんが、電車通期の合間や、予約待ちなどのお暇なときにクスッとしてくれたら幸いです。どうぞご参考ください。
投稿者とお店データ
【店名】巣鴨『アカデミー』
【HP】なし
【料金】 25分3000円
昭和にタイムスリップ
古(いにしえ)の言葉がならんでいた。
現代デー、明朗会計完全パック前金制、花びら回転、オール生サービス、その他、、、
艶かしい姿でカメラ目線の貴婦人たちがわたしを射殺す。色褪せたポラロイド写真がまごうことなき場末の入口を示していた。
ポジティブな言葉でデコられた入口扉が、その奥にある怪しさを覆い隠しているようでドアノブに掛ける手が震えた。
(やっぱりやめておこうか。怪しすぎる、危険な臭いしかしない…)
入店を躊躇ったその瞬間、、ガチャリ。
「いらっしゃい。3000円、、」
たじろぐ暇もない。
扉は向こうから開かれた。
センサー反応はなかったと思うが、なぜ気づかれたのだろうか。
答えは簡単。マジックミラーだった。
生き残るために編み出した知恵、いや罠と呼ぶのが適切だろう。
格差社会
男が立っていた。
スラックスに地味柄のチョッキ。寝ぐせが残る頭には白いものが目立ち、カサつき たるんだ肌が老いを引き立てた。
3000円。
目が合うとそれだけ言った。わたしはコートのポケットからあらかじめ用意していた5000円札を握りしめ男に手渡した。
「チッ、5000円かよ。」
男は小声だが聞こえるようにつぶやいた。男の手には裸の札束が握られていた。それを開き、しぶしぶ2000円を差し返す。
握られた札は全部で、3万円あったかなかったか、、
夜のとばり、22時前、場末サロンの売上とはこんなものなのか、、、
格差社会。現代サロンとの違いに愕然とした。
場末サロンの佇まい
「どうぞ。」
男が気だるそうな動きで中へ招き入れた。
すぐ右手に待機場があった。その中に女性と思しき後ろ姿が確認できた。
40、50、、いや60か。。背筋に冷たいものが走る。
入店して数メートル先にあるベンチシートを指示され、腰を掛け、背もたれにもたれた瞬間、それが冷汗であることに気が付いた。
座って周囲を見渡す。
狭い。小さい。古い。そしてカビ臭い。換気が上手くいってないのだろうか。
築50年はゆうに経つであろう木造建築の店内。小さく狭く、明るいこともあって隅々まで見渡すことができた。
至るところに長年の勤続疲労が見える。シートも手作りなのだろうか、、シート背面の木枠が剥き出しだった。
席は全部で3シートのみ。奥に2席、その横に1席。すべての席が半径1m以内に密集しており、遮蔽がないから全てが丸見え。というよりも店舗全体が小さいため、店内のすべてを見渡すことができた。
大なり小なり色々なピンサロ店を見てきたが、ここまでの極小店舗は珍しい。
雰囲気も昭和レトロと言えば聞こえはいいが、業界的にはどっぷり場末サロン。しかも往年の正統派の、、だ。
壁に掲げられた標榜。
「18歳未満の入店お断り。20歳未満のアルコールの提供お断り」
矛盾はしていない。だが、矛盾を感じるのはなぜだろう。
ゴジラ登場
座って数分。その時が来た。
メキメキと床を鳴らし、すごすごと威圧するようなオーラを放って何者かが近づいてくる。
ドス、ドス、ドスン!!しだいにおおきくなる足音、、その刹那、、ゴンっ!!!
「いった”ぁ”ぁ”い”ぃ」
何者かがシート入り口の出っ張りに膝を打ち付け、崩れるように着席した。
横幅の狭い店のためシート入口も狭いのだが、寸胴むっくり、恰幅のいい体が原因なのは否めない。
「ぅ”う”ぅ”。いたた。」
私はこれまでみたことがない。シート上で膝をさするピンサロ嬢を。推定70近い婆さんと対峙したときでもこんなことはなかった。
「あーもう、狭いんだよっ!」
(いや、でかいんだよ。というか、慣れろよ。)
と勝手にベテラン扱いの私。
後で知ったが、ここ(『アカデミー』)は半年ほどらしい。トータルのピン歴は敢えて聞かなかった。
ゴジラ改めベイダー卿
「コォーフゥー、ゴーブゥ~」
喉でも傷めていたんか、おんなはダース・ベイダーのような息遣いだった。
膝の痛みが治まってくると落ち着きを取り戻し、シートの端で居ずまいを正し、酒焼けした声で、変なやつがきたなーと遠巻きに話しかけてくる。
およそ場末サロンに似つかわしくない小綺麗に着飾った私をあきらかに怪しみ、素性を想像するべく嘗めるように上から下までジロジロ凝視してくる。
「ここ、はじめて?」
確認するように問いかける。
「はい。はじめてです。」
コートを脱がずに答える。
「ふ~ん、そうなんだ、だろうね。。」
「そうなんですか?わかります。」
答えながらオンナを見やる。
メイクはしているが、顔にはシミが目立ち、頬が垂れ落ち二重あご。からだもたるみきっており、腕も腹もぶ足もぶよぶよ。
いつでも臨戦態勢に入れるようノーブラの上にキャミソールを着用してはいるが、そのどこからも異性を感じない。
推定年齢は、、56、7、8…
話す言葉がまだしゃっきりしているから、もしかしたらもう少し若いのかもしれないが、見た目の肉体年齢は65でも通用するだろう。
唯一、胸元のタトゥーだけが若さを感じさせる要素だった。それ以外はお世辞にもというか、誠に申し訳ないが、、パンチが効きすぎていた。
心からの畏怖
わたしは怖気づいていた。
長らくの学園サロン経験で臆病になったのだろうか。昔の私なら、なにがあってもとりあえず抱いていた。少なくともチャレンジはしたはずだ。
キスするにせよ、愛撫するにせよ、舐めるにせよ、舐められるにせよ、絡みはした、、はずだ。
だが、今回ばかりは、、ダメだ。いけそうにない、絡めない!
私の心が、魂が行けないと訴えかけてくる。だから、コートも脱げない。ちがう!脱がない!
自ら遊びに来ておいて誠に申し訳ないが、本当に無理だ。パンチが効きすぎていて、どうにもオンナの懐に飛び込むことができない。
男である私の生理と意識とDNAが、全力で目の前のオンナを拒否していく。
オンナは話の合間にゲフゲフと何度も咳をした。風邪でもひいているのだろうか。。。なら、それを口実にトークだけで終える紳士を演じれば…いや浅はかだ。
風邪など引いていない。そう言われたらどうしようもない。そうなってはヤルしかなくなる。
落ち着け、冷静になれ。俺はこれまでどんな修羅場もくぐってきた。乗り越えてきた。問題はいかにして彼女の尊厳を傷つけずにプレイを拒否し、トークのみで20分乗り切るか、、だ。
やる気マンマン、いっちょ凝らしめてやるか…と舌舐めづりをしている相手に、、
ここって、、
「そろそろ(コート)脱げば。」
誘いの言葉が投げられた。
「は、はい、そうですね。じゃ、、」
コートだけを脱いだ。
「、、、下も。」
目線を下げ、あごでズボンをくいっと指してくる。
「へっ?下も、、ですか?えっ?えっ、、、なぜ?」
そうして、一拍置いてから答えた!!
「ここってガールズバーじゃないんですか?」
恐怖と混乱。そして相手を気遣うという偽善が生んだ、咄嗟の嘘だった。
しかし、これが効いた。。
わたしの言葉に動きを止められたオンナは、一瞬驚いたように目を見開いたが、次の瞬間には大笑いに変わった。
店内が震えるぐらいの大きな声を出して…
この後、私はどうなってしまうのか…
⇒ガールズバーと間違えて入店したと言い張る男に対し、怪訝な表情を向けるオンナ。プライドを傷つけてしまったか、それとも変な男と捨て置くか、オンナとの距離30㎝、、ギリギリの戦いがいま始まる。
つづく。
to be continued