その壱はコチラ。
つづき。
私は即座にエレベータに乗り込み、4Fへ向かった。
エレベータは途中止まることなく進む。4Fに着き扉が開いた。扉右手に入口、そしてスグに受付がある。
「いらっしゃいませっ!」
少々派手なストライプのスーツに身を包んだ強面の日サロ兄ちゃんが登場した。いかにも「フラ系」といったスタッフだった。
日サロ兄ちゃんは言う。
「今日からキャンペーンです。この割引価格でのご案内ですね。指名はありますか?」
愛想は良くないが高圧的でもない。淡々と事務処理をこなすコンビニのレジのような受け答えだった。
私はいつもどおりの返答をする。
「フリーでお願いします。スグですか?」
と。すると、10分だけ待つと言われ、待合室に通された。
待合室は受付の隣にある。L字型のソファー。週刊誌からマンガ、フライデーなどの雑誌が多数あり、爪を切れれば、たばこも吸える。私はヤングマガジンを手に取り、時が来るのを待った。
店内には絶えずマイクアナウンスが流れている。幸いなことに待機室には誰も居なかったが、店が混雑しているのは容易に想像できた。
程なくして呼ばれる。
「はいッ!お待たせしました。番号札11番の方ぁ~」
スタッフの声と同時に番号を確認するのはご愛嬌。そもそも、待機しているのは私しかおらず、番号をみるまでもなく呼ばれているのは私。ちなみに番号は当然ながら11番だった。
立ち上がると…
「はい。ご案内ですね~。お待たせしてスイヤセン」
さっきまでの日サロ兄ちゃんから、ロンゲ&若作り風の兄ちゃんに人が代わっていた。
このロンゲ兄ちゃんは少々適当だった。それというのも、恐らく本来あるはずであろう爪のチェック&手のアルコール消毒がなかったのだ。
忘れていたのか?それとも面倒くさかったのか?はたまた、元々消毒の類が無いのか?(フラ系に限ってそんなことは考えられないが…)は分からないが、とにかく爪のチェック&消毒なく席に案内された。
また、席への案内もズボラだった。通常なら前を歩き誘導するところを…
「左の列の先頭ッすね。一番奥に入ってお待ちくださいッス」
と通路正面に立ち口頭で案内するだけだった。まぁ~これに関しては特にどうこういう不満はない。別に複雑怪奇な迷路でもないし、逆にそんなに畏まられて案内されても、なんだか少々小っ恥ずかしい。
ただ、最低限の接客マナーというものがあるのでは…と思ったので、一応書き留めておく。
私は薄暗く細い通路を一人歩く。
ここで店内環境を簡単に説明しておこう。
店兄は暗く大音量の音楽が鳴り響く。店内はそこまで広いとは言いがたく、全体的にやや縦長。この縦の空間に、左右対称にブースが居並ぶ。見たところ席数は全部で12ほど。左右6席ずつ対称に並べられている。
気になる席はやや大きめのベンチシート。そして、シートを豹柄の衝立で囲うように覆い、前後左右の遮蔽をほぼ完璧に遮断している。
レンガ造りをイメージした内装や席次の並び、また遮蔽に使う豹柄の衝立など…店内環境においてはここ最近のフラ系に見られる作りとほぼ同じで、新店ゆえ店内もとても綺麗で清潔感に溢れていた。
簡単ながら図解にしておく。ぜひ参考にしてもらいたい。
では本題に戻る。
通路を歩きながら左右に散らばるブースに目を遣る。計12席はあろうかと思われるブースは、その7割近くが埋まっており、至るところでコトが繰り広げられていた。
指示通り左列の奥に座る。スグにロンゲ兄ちゃんが「少々お待ち下さい」とお茶を持ってきた。
私はブースに腰掛け、コートを脱ぎベルトを弱める。通路を歩く際に全裸の少女を見たからか?それともそこかしこから聞こえる喘ぎ声に刺激されたのか?
既に愚息はビンビンだった。
しかしながら…
嬢を待つこの空白の時間。この時間もまたピンサロの醍醐味ではないだろうか。
フリーであるがゆえ、どんな子が来るのかとドキドキ&ソワソワする。臨席のブースを少し覗き込んでみたり、背後のトークに聞き耳を立てたり、急ぎブースへ向かう嬢や逆にブースからはける嬢をチェックしたり…
この嬢が来るまでの空白の時間。これも含めて「風俗遊び」とつくづく思う。
この日私が座った席はお伝えのように、左列最奥。図解でも確認できるように、このスグ前には嬢の待機場がある。ゆえに、この待機中、入れ替わり立ち代わり入っては戻る嬢の姿を、薄暗い中ではあるが、砂かぶり席で堪能することができた。
恐らくその日その時間に出勤していた嬢の8割方を確認できただろう。さすがに細かい顔までは判断できないものの、デブやババァの類は一人もおらず、さすが「フラ系」と言って然るべきメンバーであった。
そうこうしている内に、待機場から一人の嬢が現れ、スグ前にある私のブースに入ってきた。そして、おもむろに隣に腰掛…
のつづきはまた後日。
To Be Continued.