こんばんわ。バカイチです。
今日は春らしい切なくも微笑ましい…そんなお話しをお楽しみください。それでは早速参りましょう。
「【同士体験談】春はお別れの季節~ある“準”オキニとのとの最後の逢瀬~ Byオサムシ」
どうもオサムシです。春ですねえ~、あっというまに桜も散ってしまいました。巷では入学式姿が見られたのもついこの前なのに、いまでは初々しいフレッシュマンが町に溢れています。
それは我らが愛する風俗界とて一緒です。この春デビューの新人さんがたくさんいることでしょう。皆さんも新しいオキニを見つけられましたか?
でも出会いがあれば当然別れもあります。今回はわたしがこの春に経験した“準”オキニとのお別れを紹介させていただきます。
この嬢とは足かけざっと1年半にわたり通い詰めましたが、いろんな思い出がありました。横柄な店員に腹を立てつつもぐっとこらえたこと、ちょっとしんみりとした話をしたこと、そして大雪の時に馳せ参じたことも。
そして皆さんは、タイトルの“準”ってナニ?と思われるかもしれません。それは長年慕い求めた彼女ですが、驚くほど逢いに行った回数は少ないのです。
そうです、電話予約制を導入していない店での超絶人気嬢だったゆえ、何度も待ち時間に断念して店を後にしたことがあるのです。それ故オサムシ的にはレギュラーにはなりえず、準オキニの地位にとどまったのです。
わたしの遊び方のスタイルとして、現在・過去ともオキニと呼べる嬢との出会いはフリーが基本です。風俗の中でもHP等での情報が極端に少ないピンサロにおいては、事前の情報収集はかなり難しいといえましょう。
お店のランキングも一つの目安ですが、元々マイナー好みの傾向があるのでしょう、ランキング嬢だから指名しようという考えもあまりありません。
ですので、彼女との出逢いも当然最初はフリーでした。おととしの秋ですが、何度も行ったことがある評判の高い人気店でついてくれた彼女は、ニコニコと微笑みながらあらわれました。その時点でそこそこのキャリアがあったそうですが、ただそれだけではなく初対面・フリーの客へレベルをはるかに超えるサービス内容でした。
もちろんテクニックも印象深いことでしたが、それよりも彼女の飾らない人柄、屈託のない笑顔に一発でノックアウトされてしまいました。後で店のHPをチェックすると、当然のようにそのお店のランク嬢でした。
その時のフリーでの出逢いがかなり幸運であると思い知ったのはまもなくでした。少しして店を再訪し、こんどは指名をすると数時間の待ち時間が告げられました。その時はたまたまだろうと思い、時間もなかったのであきらめました。が、それ以降いつ行ってもそのような感じ。
最初のフリーはなんだったのだろう…。それ以来、彼女の元に行くのは急に思いついた会社帰りなどではなく、時間に余裕があるときに気合を入れて、というスタイルとなりました。
たまにしか逢えないですし、また人気嬢ですから想いは募るばかりです。不思議なことに、いつ行っても逢えるレギュラー嬢の場合、その安心感からついつい間が開いてしまったりすることもあるのに、彼女に逢いたいという焦燥感は、たとえ長い待ち時間があったとしても、休日の半日を潰すくらいの覚悟をするくらいの気合の入れようでした。
長い待ち時間も、彼女の穏やかで明るい人柄に触れると、そんなことは何の苦にも感じなくなるのは不思議なことです。でもこの感じは、人気嬢のオキニを持つ方でしたらどなたでもお分かりになるのではないでしょうか?
昨年途中からは、昼職との関係で出勤日はますます少なくなってゆきました。そうすれば、あまたのファンがそこをめがげて殺到するのは目に見えています。ある日ランキングが更新されると、ついにそのお店のナンバーワンとなっていました。本当だったらこれは誉めてあげなければならないことなのかもしれませんが、目当てで通う身にとってはつらい以外の何物でもありません。
頻繁でではありませんが、ますます長くなった待ち時間をこらえつつ、彼女に癒してもらうのを心待ちにしている自分がありました。あらかじめ予定をつくっていたために、悪天候にもかかわらず訪ねて行ったこともありました。
実はことし2月に投稿した、大雪の日の体験記(「今日は大雪!こんな日にピンサロ行くヤツはいるのか?~いるんだなあ、これが…Byオサムシ」)も彼女の元へ行ったときのことでした。
その時は本当に大変でしたが今となっては良い思い出です。電車は遅れ、吹雪に打たれ、靴は衣服がずぶ濡れになったとしても、彼女の笑顔と暖かい言葉でなにもかもが氷解した至福の瞬間でした。
そんな彼女が、なにげない会話の中で卒業するらしいとにおわせ出したのは、昨年末のことでした。元々少なくなっていた出勤日を、さらに昼職に専念するために決意したそうですが、具体的なエンドの時期を聞いたのは大雪の日のことでした。
オ「それじゃあ、最後は絶対にお別れにこなきゃね。どんなに待っても必ず来るよ」
嬢「うれしい。もう一回逢えるのね。お別れは残念だけども、笑顔で見送ってね」
冷静に考えれば、彼女の営業トークの術中にはまっているのかもしれません。しかし、たまにしか来ない「細い客」にそこまで言ってくれたのは本当に嬉しいことでした。
そして3月。開店早々受付を済ませても、数時間の待ち時間でした。ちなみにこの日は彼女のラスト出勤日ではありません。ラストで受け付け終了になると二度と逢えないリスクから、あえてその前の日を選びました。それにしてもこの人気ぶり!
もちろん想定内の事ですから、長時間待つつもりで思いつく限りのあらゆる用事を入れてきて、カバンには文庫本もしのばせて来ました。それらで長い待ち時間をどうにかやりすごし、ようやくご対面の瞬間です。
ブースにあらわれた彼女は、こちらの顔を見てちょっとビックリした表情をうかべました。
嬢「うれしい、まさか本当に来てくれるとは思わなかった…。とっても待たせたんじゃないの?」
口に出して言うのもなんかいやらしいことですが、素直に…
オ「うん、○時間待ったけど、用事をつくってきたから大丈夫、大丈夫。」
そして、用意してきた紙袋を差し出します。
嬢「なあに、これ?」
オ「いいから、開けてごらん」
持って来たのは、小さいながら花束です。
嬢「どうしてこれを…」
オ「覚えていないと思うけど、この前逢ったとき『最後は花束で見送ってね』って言ったじゃん。」
そう言ったとたん、ニコニコと微笑んでいた嬢の様子が急に変わりました。頬を大粒の涙がぼろぼろと伝って落ちます。
それを見たわたしは、かなり動揺しました。だって、女の子を泣かせたんですから。
嬢「言ったのは覚えているけど、まさか本当に持って来てくれるなんて。逢いに来てもらっただけだってとてもありがたいのに、うれしい。本当にうれしい。花束なんてもらったことがないもん。ありがとう!」
これまでに嬢へのプレゼントはいろんな物を持って行ったことがあり、それぞれそれなりに喜んでくれているものです。しかし、まさか涙を流してくれるたのは初めての経験です。
それに、ピンサロのお土産としては、花束はどちらかといえばもらって困るものの方ではないでしょうか。一応それに配慮して、抱えるような大きなものではなく、紙袋に入る小振りなアレンジメントを用意するという気配りはしましたが、まさかこれほどの反応があるとは!
こちらが困るほど、しばらく泣き止みません。どうしてよいか分からず、ただただ肩を抱いて頭を撫でていました。
少したって落ち着くと、いつもよりも熱いサービスのスタートです。ああ、この安定のプレイが二度と体験できないとは!
いつもより早めに果て、お互い着衣をしながらしんみりした口調でこれまでの仕事のことを振り返って聞かせてくれました。新しい仕事でも覚えることがたくさんあり、これから頑張らないと、と。
たまたまですが、その仕事の内容について割と詳しく知っていたので、うまく話しを合わせられました。むこうはそれにも驚いていました。でも、もうこの話しをすることは二度とありません。
名刺タイムを経てしばらく会話を交わし、やがて無情な場内コールがかかります。
オ「それじゃあ、これからも元気で頑張ってね」
嬢「うん、ありがとう。わたしもずっと忘れないよ。今日はお花を本当にありがとう」
あえて笑顔をつくり、手をつないで出口まで見送られます。店員の目を盗み、軽くキス。やわらかい彼女の唇を忘れないようにと、短い時間ですがしっかりと記憶に焼き付けました。
人気店ですから、出入り口は多くの客でごった返しています。そこをすり抜け、唇にかすかなあたたかな余韻を残し、雑踏のなかに消えていったのでした。
年末にもお別れがありましたが、春にもこんな出来事があったのです。たまにしか逢わないと、会話なんてすっかりリセットされていて、毎回なんだか同じような話しばっかをしていたかもしれません。それにしても、陰ひなたのない明るい人柄は日常の雑事で疲れた男心を心底癒してくれるものでした。
長い待ち時間は本当にストレスでしたが、方々にオキニをかかえ、あまたのピンサロ通いをするオサムシ的には、今回の経験はこの一言に尽きます。
「きちんとお別れができて本当に良かった」
たかだかピンサロ、されどもピンサロ。そこで出会うのは男と女しかいません。たとえお仕事上での出逢いとはいえ、たまにはこんな事が起こってもいいのではないでしょうか。
ちょっとつらいので、たまにでいいですけど。
-了-
春は出会いの季節。そして出会いがあれば別れもある。出会いがあるからこそ別れが輝き、その逆もまた然り。
一期一会。
先日オキニに会えない辛さを語る体験談がございましたが、今回もまた切なく、しかしながらどこか微笑ましい…春らしい体験談となりました。
性欲を解消する風俗遊び。その中でも最も安く手軽に遊べるピンサロ。ある一定の線を引き、その時その瞬間さえ楽しければ…と思う方が
大半を占める中で、「好きこそ物の上手なれ」でしょうか。。。
氏の誠実な対応。嬢ではなく「女性」として相対する。短い時間、お金を媒介とした出会いとはいえ、ひとりの女性として誠実に対応する。まさに氏の優しい人柄、人間性が発揮されたエピソードではないでしょうか。
恐らく初回のフリーでの対面は、氏の誠実な人柄が呼びこんだ強運なのでしょう。女の子を嬢と見ない。ひとりの女性として誠実に対応する。そんな氏の日々の行動が呼びこんだ奇跡。
この一年半に渡る出来事は、そんな氏に対する神様からの贈り物だったのかもしれませんね。
府中の話しに続き、今回のお別れ談。心に沁みる素敵な話しを有難うございます。本当にたまにならこの手の話も…ありですよね。。。
*返金企画不参加作品になります。