つづき。
店頭には白シャツに黒の蝶ネクタイ。いかにも風俗店員という風貌だが、おだやかな表情が印象的な紳士が立っている。
私と目が合うや否や両手を広げ「ウエルカム」のサイン。それにまんまと誘われる四十路のオヤヂ。今まで真っ直ぐ前を見て歩いていた男が、急に90度の方向転換…
端から見たら何とも滑稽な光景だろう。
私は店頭の紳士に「待たない?」とだけ尋ね、すぐに案内ができることを確認してから、入り口に繋がる階段へと案内される。
久方振りにみる『ハッピィ日の丸』の前階段。薄暗い中、横に長い階段が全部で20段ごどあるのだが、階段には赤い絨毯が敷かれているため、暗さと相俟って何とも怪しげな雰囲気をかもし出している。
そんな中、一段、二段、三段…と何かに誘われるかのように上る。一歩一歩。一段一段。何か向かってはいけない方向に進んでいるような…そんな錯覚を覚える方もきっと少ないないだろう。
数段上りふと頂上を見上げる。人影が見える。更に階段を上る。はっきりと見える。白いYシャツに黒の蝶ネクタイ。支配人らしき人物が、私の到着を今か遅しと待ち構えている。更に上る。そして、中腹を過ぎたあたりで…
「いらっしゃいませ」
と低くダンディーな声でご挨拶。
(もう逃げられないな…)と覚悟を決め階段を上りきると、大きな自動ドア。支配人に誘われるように扉をくぐると、在籍嬢のパネルが貼られた掲示板の前で止められた。
ここで新宿ピンサロ『ハッピィ日の丸』の基本システムをご紹介しておこう。
☆完全マンツー 4000円~
☆写真指名料無料
☆20代も確実に在籍
つまり写真指名料は基本料金に含まれているので、とりあえず店内に入ったら写真で嬢を選択する形になる。
その日、スグに案内できるのは5名。その内、パッとみて「こりゃダメだ」という嬢はひとりのみ。それ以外は全てルックスに関しては何ら問題ない。年齢も20代前半~30代前半まで、それぞれタイプが異なる。
普段フリー道を貫く私としては、こうまじまじと写真を見て決めるということに慣れていないので、決定までに少し時間がかかった。しかし、支配人らしき男性は嫌な顔ひとつ見せず、私の質問に丁寧に答えてくれる。一つ一つの質問を丁寧に、かつ、自分の主観を主張せず、聞かれたことだけを端的に答える。
接客とはかくあるべき。そう思える素晴らしい接客だった。ドコとは言わないが、客を威圧する高圧的な色黒スタッフに「これが客商売!これが接客だ!」と見せてやりたい気持になった。
結局、スグに案内できる5名のうち、推定年齢30前後、比較的スラットした綺麗目の嬢を選択。30分コース-計6000円を支払い、即座に案内となるのだが、今思えばこの時、支配人らしき男性に色々と聞いておいて良かったと…後々思うのであった。
ここからは遂に新宿ピンサロ『ハッピィ日の丸』の本丸。キャバレー時代の名残をのこす怪しくも官能的な店内環境に入りますが、この続きはまた後日。
今日は短文ながらこれにて失礼…。
To Be Continued.
づつく。