この物語は事実をもとにしたノンフィクションです。登場する人物や団体、また作中の行為やセリフは全て真実。一言一句、脚色はありませんので、そのつもりでお楽しみください。
2013年1月某日。時刻-午後17時。
私は帰宅ラッシュで混雑する新橋にいた。日も落ち寒空の下、皆一様に駅に向かって歩く。私はその中を1人、皆とは違う方向へ向かって進んでいた。
烏森口を出てすぐ目の前に信号がある。その信号の先に目的地はあるのだが、その目的地にすんなり向かってはいけない。自らの意思を持って向かうのではなく、まるで吸い込まれるかのよう、まるで誘われるかのように向かわなくてはならなかった…。
いったいそれは何故か??
事の発端は昨年の12月半ばに遡る…。
私はその日いつものように本業をこなしつつ、合間にピンサロ店のチェックをしていた。イベント情報や新人情報、その他色々なピンサロ情報をチェックする。これは日課みたなもので、仕事の休憩中などにひと通りの作業をルーティーンのようにこなす。すると見たこともないお店を発見した。
そのお店の名は『エンジェルシェイク』といった。調べを進めると、どうも約一ヶ月前に新橋にオープンしていたことがわかった…。
(おっと!新店を見落としていたか…)
と、その時は新店を発見したことに感動し、この後まさかあのような事態に発展していこうとは、まったく予想もしていなかった。
私は発見した新店『エンジェルシェイク』の公式OHPをチェックする。すると、そこには驚くように可愛い女性が多数紹介されていた。
(このレベルの女性はいくら最近ピンサロが人気とはいえ、そうそう揃えれるレベルではない。もしかして箱ヘルか…!?)
との思いが頭をよぎる。しかし、料金をみるとピンサロのそれとそう変わらないし、公式OHPには「ピンクサロン」と確かに記載がある。
……
……
素直に納得は出来ないが、どうもピンサロで間違いないようだ。がしかし、少々キナ臭く怪しい。何とも訝しい臭いがする。その臭いの元は…
あまりにも業界のレベルとはかけ離れた在籍嬢。そして、どこか見覚えのある料金体系。更には求人広告の文章内容など…。
これら臭いの元に私の経験からくる直感が、この新店『エンジェルシェイク』を「ボッタクリ店ではないか?」との疑惑に導いていく。
その後も『エンジェルシェイク』について色々と情報を調べる。そしてその結果、断言は出来ないが、現状を考慮するに…
この『エンジェルシェイク』は、ほぼ間違いなく「ぼったくりであろう!」との結論に至り、その旨を急ぎブログにて広く告知した。
その記事は予想に反してとても反響が良かった。一時的にではあるが、人気記事の第4位にランクインするほどの反響があり、連日コメント欄にぼったくりを非難する意見が並んだ。
体験記でもなく、新店発見の報告でもない。ただのぼったくり疑惑の記事。にもかかわらず、それが一時人気記事にランクインするぐらいの反響…。
これは皆が「ボッタクリ」という何の意味も成さない存在に憤りを感じている証拠に他ならないだろう。と思ったが、この盛り上がりをみて、少々嫌な予感もした。
事実、この反響は当該店舗を大きく刺激した!なんと私の下へお店関係者を名乗る者からメールにて連絡が来たのだ。その内容は…
「ブログ記事に書かれているようなこと(ボッタクリ)はなく、当店は健全営業である。甚だ迷惑しているので、記事の即刻削除を求める!」という削除申請だった。
個人ブログに対してこのような連絡がくることに、私は少し恐怖を覚えた。
とはいえ、私は記事中ぼったくりとは断言していない。自ら体験していない以上、あくまでも利用は気をつけて…と注意喚起に留めた。そもそも記事にした際、色々と下調べをしたら、既にしてネット上に被害報告が数件投書されていた。
確かに自ら体験し、この手で疑惑を確かめたわけではない。わけではないのだが、十二分に下調べをしてある程度確証のとれる情報を得て記事にし、しかもその内容も配慮したはず…。
それにもかかわらず、削除申請が届けられる。
正直、店舗関係者から「そのような事実は無い」と言われてしまえば、自ら体験していない以上、反論のしようがない。仮にネット上で確証高い被害報告を数件発見したとはいえ、それはあくまでもネット上の話題で、自ら体験した訳でも、自ら被害報告を耳にしたという訳でもない。
ゆえに、先方の申し出通り、一時的に記事を削除した。ただし、迷惑を掛けたその責任を取って、後日自らがお店に向かい体験し、そのお詫びとして詳細かつ克明な今までにないお店体験記を紹介させていただく…
と約束して。。。
時は戻って今。1月某日、場所-新橋-
その約束を果たすべく、私は今考えごとをしながら信号待ちをしている。
私の視線の先には『エンジェルシェイク』と記された看板。そしてその脇に黒のコートを着た男。その男はせっせと通行人にチラシのようなものを配っている。
信号が赤から青に変わる。
私は狙いを定めつつも、まるで誘われるかのように男の方へと歩み寄る。看板の前を過ぎ、男の前を過ぎるその刹那、何かが私の手に渡された…。
つづく。
To Be Continued.
永久保存版!ボッタクリサロン潜入調査 その巧妙な手口を身をもって体験してきました!!その弐-潜入-