その壱はコチラ。
つづき。
居る居る。怪しげな男たちが3人等間隔に立っていた。左手奥にひとり。右手にふたり。一見してピンサロのそれと分かる風貌だ。
(これは入りにくいだろうなぁ~)
と思っていたら意外や意外。目的地である『オリーブ』前にキャッチがいない。
(これはしめた!)
と、細長い階段を勢いよく駆け上がる。まるで追手から逃げるように。まるで自身の不安をかきけすように。まさに突撃!という勢いで階段を駆け上がった。
途中で男が現れた。階段上の左手からヌスッと…
「いらっしゃっいませ。ご指名は?」
威圧もない。愛想もない。マニュアル化された事務的な言葉を投げ掛けてくる。
壁右手には30名を越すであろう嬢の写真。順に目を遣る。
(おっ!あぁ~。うわっ。ん~)
良さそうな子はいる。居るには居るが、駄目だ。リスクが高い。指名しよう!
その気持ちは即座に言葉になって飛び出す。
「指名します。今いける方はどの子ですか?」
すると、男は驚いたような仕草をみせるも矢継ぎ早に数枚の写真を指差していった。
全部で7枚だったか…。さすがに一度では覚えきれなかったので、もう一度尋ねると、今後は私と声を揃えて順に写真を指差してくれた。
感想は…
帯に短し襷に流し。コレと言って決め手がない。しかし、それでもフリーは危険と判断し、7名の中から一人の女性を指名した。推定30代半ばと思われる細身女性。妙に艶っぽかった。
男にその旨を伝える。
「彼女を(指名します)」
「彼女は向かいです」
「へっ?向かい??」
「そうです。姉妹店の女の子です」
「はぁ~。姉妹店ですか…」
仕切り直し、もう一度パネルに目をやる。
「では彼女を…」
「彼女も姉妹店です」
「はぁ~そうですか」
まるで時が戻されたかのように繰り返される同じ言葉。
(なぜ姉妹店の女の子を紹介するんだ…)
そんな当たり前の疑問が私の頭をよぎる。落胆。いや、正直呆れ返ってしまった。
その姿を見て男が…
「姉妹店行きますか?ほんのすぐそこですよ。案内しましょう。さぁ。さぁ~!」
よく分からないが少しイラっとしている。本音を言えば店(オリーブ)にいない女の子を紹介されてイラっとしたいのは私の方なのだが…。
しかし、近いとはいえ今更移動するのも億劫だ。それに私はHPがあるからと…ここ(オリーブ)に決めたのだ。姉妹店に移動しては当初の目的が変わってしまう。
そこで…
「いえ移動には及びません。こちらで遊ばせていただきたい」
そう伝えると男は振り向き笑顔で…
「今ウチで案内できるのは二人。この子とこの子。若いのはコッチ」
と、用意されていたかのようなコメントを繰り出す。
(ぐむむ…。結局二択か…。というか始めからそう言えや!)
恐らく皆も同意見だろう。しかし問題はそこではない。問題は二択の内どちらにするか…だ。指差された二人を見比べる。
(若いか?それとも年上か?ぐむむ。これまた帯に短し襷に長し。しかしながら年上は絵に描いたような蒲田ギャルだ…。とはいえ若い方も若いには若いが少し太めに見える。が、もし蒲田ギャルで地雷であったら…それはそれで大変なことになる。え~いままよっ!!)
「彼女(若い方)をお願いします」
「はい。指名料含め5000円です」
こういうこともあろうかと事前にポケットに忍ばせていた5000円を取り出し支払う。
そして、いざ!案内ッ!!
男が足早に私を先導する。
つづく。
To Be Continued.