パチンコに勝った勢いだけで脱(素人)童貞を図る高校1年の春。
なにがしたい!という明確な目的もなく、おんなを知りたいという曖昧な邪心だけで風俗店の扉を叩き、謎の便意と極度の緊張と格闘しながら待つこと約1時間。
いまやっと大人への扉が開かれる!!
これまでの過程はこちら。
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開かれた扉の先には、、おんなが居た。
ネグリジェのようなセクシーなランジェリーを纏い、女中のようにひざまづき頭を下げていた。
おんなはすぐに頭を上げ、わたしを見た。その瞬間、表情を強張らせた。
丸い目を大きく見開き、顎を引き少し背中を退けぞらせて、全身を網膜に捉えるようにしていると、わたしには映った。
いまも昔も変わらない身体検査。受付でチェックされ、これからという時にも調べが入る。
僕らはこうして身なりの大事さを学び、大人になっていった。
数秒が数分にも感じられた扉を挟んだ攻防。
おんなはちらっと背後にいたであろうスタッフに目配せをした。そして、得心したようにまばたきをし、「どうぞ。」となかへ招き入れてくれた。
「は、はいっ!く、靴はぁ?」
「そこで脱いで」と足下を見た。
靴のかかとを踏み潰していたことを後悔した。
姉御肌のお姉さん
室内には布団が一枚隙間なく敷かれていた。部屋の角にはバスタオルが何枚も積み重ねられており、おしぼりなどが入ったカゴと、コンドームやローターなどが備蓄された引き出しがあったと記憶している。
「そこ座って」
おんなはわたしを布団の上にバスタオルを敷いて座らせた。
なぜか正座をするわたし、、おんなはそれをスルーし、澄ました瞳で言った。
「わかいよね、、めっちゃ。」
おそらく未成年でしょ!と言いたかったに違いない。口調や態度、言葉尻や行間の間からは、怒りとも飽きれとも、驚きさえも感じ取られた。
おんなは沈黙するわたしの腿に手を添えて、正面を向くように手招いた。
ピンクの照明がおんなとわたしを照らす。年の差にして10近くは離れていただろうか。細かな表情までは思い出せないが、決してブスではなかったし、太っているとかそういったこともなかった。
イメージ的には近所にいる面倒見のいいお姉さん、、だろうか。少し気が強くて怒りっぽい、でも最終的には受け入れてくれるといった風の…
ここから先は「おんな」ではなく「お姉さん」と表現しよう。
尋問
確かめるように、お姉さんは言う。
「やっぱりわかい。わかすぎるんだよね~」
いたずらっぽくひとりごちる。
いまだ足を崩さないわたしを見て…
「緊急してるの?もしかして初めて?」
お姉さんが優しく問いかける。
ここで初めて声をだすのだが…
「は、は、はじ、はじっ、めって、、ですっ。」
喉が渇きすぎて声が掠れる。しかし、伝わったようだ。
「お店が?こういうことが?」
「どどどどっちもです。」
「そうなんだ~、やっぱりね。わかいもんねーキミ。ひとりできたの?」
ブンブン。首を振る。
「友達と?」
ウンウン。頷く。
「友達も初めて?」
ウンウンウン。夢中で頷く。
「そうなんだー、でもキスぐらいはあるんでしょ?」
ブンブンブン。首を振る。
「えーキスも!?じゃーファーストキスなの?えーまじでー、超プレッシャー。。」
……。。 沈黙する。
お姉さんが私を見つめてくる。わたしは視線をそらすように下を向く。それでも見つめてくる、、ように感じたそのとき…
「ふぅ~。。」と大きなため息。そして、「じゃ~」と言って姿勢をただし、わたしに向き直るようにして正座した。
「だいぶお姉さんだけど、よろしくね」
膝と膝がぶつかると、唇と唇が交錯した。
人生で一度きりのファーストキッス
正座のまま硬直するわたし。目は見開かれ、口は半開きのまま、両方の手は腿の横で固く握られている。
「はい、ファーストキス いただき。」
唖然とするわたしを見て、すこし気まずそうな表情をみせるお姉さん。しかし、次の瞬間…
「ここからは本当の、、ね。」
と再び唇が交わる。しかし、さっきとはまるでちがう。
唇を覆うようにわたしの唇の上から唇を重ね、そのまま吸い付いてきたり、甘味みしたり、舌を押し付けてきたり…
お姉さんの手が固く握られた拳に触れて、手を開き、手を繋ぐように仕向けてくる。
お姉さんは唇を話すと、「力を抜いて…」とささやよくように耳を舐めた。
ゾクッとした快感がはしったあと、急に力が抜けていく。耳の穴に舌が入ってきて、這うように動く。
くすっぐたいような、気持ちいいような、寒気を覚えるような不思議な快感が、体から力を抜いていく。
声をだしていたか、体を震わせていたか、、まるで覚えていない。だがこのあと、お姉さんの舌が口の中に入ってきたのは間違いなく覚えている。
生まれて初めてのディープキス。
唇のやわらかさ、匂い、そのいやらしさ、人間の舌が持つなめらかな触覚…このとき刻まれた記憶はいまも忘れはしない。
初めてオナニーしたときの快感を追い求めるように、わたしはいまもこのときのキスを追いかけている。
全身を貫いたあの衝撃。人生で一度きりしか経験できない初体験というギフト。もう二度と貰えないと知っているのに、それをもう一度、もう一度だけと…諦めきれずに追い求めている。
人生で一度きりのファーストキスは、わたしの今後の人生に大きく影響を残した。
それはいい意味でも、悪い意味でも…だ。
プロのテクを買う それが昭和ロマン
後で分かったことだが、我々には遭えて彼女たちが人選されていた。
『リッチドール』のスタッフは、我々が未経年であることを知ったうえで、さらに童貞であることも見抜いたうえで、初めての思い出が素敵なものになるようにと、お店の中でも指折り数える人気嬢を、待たせてでも宛がってくれたらしい。
わたしが初めてを捧げた相手は、けっして若くはなかったが、十分きれいで、優しく母性に溢れた女性だった。経験も豊富で場馴れしていて、面倒見が良く童貞の扱いもうまい、まさに百戦錬磨のプロフェッショナル。
いま思うと初めての相手が彼女でよかったと心から思う。もし年が近かったら虚栄心か邪魔をしただろうし、相手も童貞の扱いに困っただろう。それなりに歳の離れたベテランだったからこそ、何も考えずに身を委ねることができ、だからこそお姉さんも受け入れてくれたんだと思う。
異性に対して、風俗に対して、性行為に対して、想像を裏切らないとてもいい印象を与えてくれた。
いまでこそ右を見ても左をみても(偽装)素人嬢のオンパレードだが、当時、風俗といえば、プロのテクニックを買う。大人のオンナの嗜みを体験するのが売りだった。
やっぱりプロは凄い!!
それが風俗を利用する最大の目的であったのだが、いつのころから風俗に素人性を求めるようになったのだろう。
素人女性を風俗店に求めるなんて、大いなる矛盾であるはずなのに。
やはり風俗たるもの、仕事きっちり、もてなししっかり、男を立てて、ちんぽも勃てる。一般では体験できないテクニックや日常では経験できない淫猥な行為など、お金でしか買えない欲望を満たすものだ。
女がオンナである武器と技術を風俗店を媒介として売る。お客は非日常への憧れと磨き抜かれた性戯を買う。
それが風俗、それが昭和のロマンであったはずだ。
わたしは『リッチドール』の計算されたもてなしと、 昭和の風俗に彩られたプロフェッショナルな接客に、この日大人の男に仕立てあげられた。
いまだ半人前のだが…
よっ!待ってました、、ご開帳
お姉さんは緊急を解こうとしてくれるのか、甘く優しくささやくように、キスや耳舐めを続けてくれた。
そして、緊張が解れてきた頃合を見計らい、膝を崩し…
「はい、ジャンバー脱いで、次はそれ、ばんざーい。」
脱いだ先から服を畳んでくれる。あれよあれよとすっぽんぽんにされて、「じゃ寝て。」と布団に寝かされた。
ちんぽは勃っていた。待合室ではまったく勃起しなかったのに、いまは完全フル勃起。
わたしは年の離れた兄がいたため、実は中学の頃から完全体(ズルムケ)だ。中学入学を機に兄の手ほどきで強引に剥いた。痛みが強く何度も何度も止めようと泣き叫んだが、包茎だといじめられるからと、最後は兄の手で、剥かれた。
あのとき兄はいじめられていたのだろか。疎遠になったいま、なぜか当時の事が思い出される。
早くも一部だけ大人のわたしを見て、「ここはもう立派なんだね。」と言った。
お姉さんも服を脱いだ。キャミソールのようなものを脱ぐとブラはつけていなかったか、、確かにそう記憶している。
記憶ではパンツだけ履いていて、そのパンツをわたしの目の前で挑発するようにゆっくりと艶めかしく、ストリッパーのように脱いだのを覚えている。
ここからはもう記憶が曖昧だ。
言われるがままに、触り、舐め、見た。質問されたことには、すべてウンウンと態度で応えた。
印象に残っているのは、やはり生のオマンコだろう。
焦らすように挑発するように、想い出に残るようにと目の前で脱がれたパンツ。黒々としたマン毛がタワシのように生い茂って、まだはっきりと具は見えない。
お姉さんはパンツを脱ぐと、わたしの目をじーっと見つめ、「見たい?」と聞いた。
言葉を発することなく、うなずくわたし。
お姉さんは答えを予想していたように布団に腰を下ろし、両足をM字に開脚し、右手の指でマン毛を掻き分け、そして二本指で逆ピース。
扉は開かれた。
挫折
初めて見た生のオマンコは、、、想像以上に、グロかった。
アワビとか赤貝のようだと伝え聞いていたが、そんなもんじゃない。なんというか、神聖な存在と認識していた中学生の夢を壊すには十分すぎる現実だった。
しかし、いまもたまにこの光景を思い出しオナニーする。それこそ当時は何度も何度も思い出し、毎日狂ったようにオナニーした。
初めてみる異性の、大人のおんなの裸体、初めて触れるおっぱい、初めて見るオマンコ、その味、臭い、その手触り。
そして、初めてちんぽを舐められたときの喜び。
この日わたしはイカなかった。ただしくはイケなかった。常時フル勃起を維持していたのだが、緊張のあまりか、それとも経験不足か、体は気持ちいいと感じているはずなのに、脳がそれに溺れることを許さなかった。
興奮のなかどこか冷静で、心のなかにイケナイことをしている罪の意識が常にあった。
パチンコに行ったこと。勝った勢いのまま風俗にきたこと。未成年であること。仲間内で先駆けておんなを知ること。
そして、それ以上に初めてが風俗でいいのか…ということ。
生まれて初めてちんぽ舐められているとき、『リッチドール』の天井を見上げながら、なぜか感傷的な自分がいた。
自らの意思で風俗店の扉をたたいたはずなのに、本当はタクローの強気に乗っただけで、まだ自分がそのステージに立つ準備ができていないことを感じていた。
イク気配のない、しかしフル勃起のちんぽを懸命にナニしてくれるお姉さん。
舐めて、しごいて、擦り合わせ、、揉ませて吸わせ、マンコを与え、69も教えてくれた。
しかし、わたしの心の余裕がなく、なにをしても、なにをされてもイクことができなかった。
わたしはとてつもない罪悪感に襲われ、「ごめんなさい。」と半泣きで謝った。
自分の意思が足りないことを深く後悔し、こんなにも一生懸命してくれたのに期待に応えられなかった自分が情けなかった。
お姉さんは、「初めてはみんなこんなもの」と慰めてくれたが、「わたしのほうこそごめんね。初めてなのに、こんな感じになっちゃって…」と悔やんだ。
わたしはそれが余計に辛くて、恥ずかしくも涙した。
最後は「また来てね。がんばってね。」と抱擁と優しいキスでお別れ。
扉を出ると、スタッフが出迎えてくれた。
「どうでした。楽しめましたか?」と声をかけてくれたが、「はは、はい、、た、たのしかったです。。」とはにかむのがやっとだった。
「お連れさんがまだプレイ中なので、宜しければあちらでお待ちください」とトイレのある部屋でタクローの戻りを待った。
わたしが終わって15分ほどあとだろうか、これ以上ない笑顔でタクローが戻ってきた。
その姿を一目見た瞬間に、タクローが大人になったことを悟り、また落ち込んだ。
懺悔帰路、タクローが自転車を並べてまくしたてるように一連の出来事を語りつづける。風の音が邪魔をして、全てを聞き取ることはできなかったが、おおよそのことはわかる。
女性の裸のエロさ、すばらしさ、ファーストキスの衝撃、乳の柔らかみ、マンコの戦慄、感触、神秘性。
私も同じ体験をした。ただひとつ異なることは、、射精に至らなかったこと。
タクローはお店と相手の期待に応え、わたしは応えられなかった。せっかくお店の好意で素晴らしい嬢を人選してくれたのに、男になれなかった。
その差は、おそらく意識の問題。
タクローはチャンスがあればいつなんどきでも女を知ろうと思っていたのだろう。方やわたしといえば、その機会はまだまだ先。そのチャンスを作ろうという気すらなかった。女を知る、女を抱こう、という意識がまったくなかった。
しかし、タクローは違った。女を抱きたいという断固たる決意があった。その意思の強さが、初体験で射精という結果につながったのは間違いない。
いま思えばパチンコの大勝もタクローの力が大きかった。よくよく考えれば、パチンコの誘いも、風俗の誘いも全てはタクローの意見だった。
もしかしたら、タクローは初めから全てが計画の内だったのかもしれない。
結果的に仲間内ではかなり早くにおんなを知った。しかし、このときの経験が尾を引いたのか、わたしが大人の男になったのは、仲間のなかでも、もっとも最後だ。
さらに言うなら、いまも現役の素人童貞だ。脱するチャンスはあった。しかし、そのときも射精できなかった。そのあと何度かのチャンスもなぜか射精できなった。
要因は色々ある。オナニーのしすぎや、早くから風俗にハマった代償など、、考えられる線はいくつかある。
しかし、最大の要因は緊張してしまうこと。初体験の記憶がトラウマになり、もしイケなかったりとか、期待に応えられなかったらどうしよう、と不安になる。不安になると、余計にイキにくくなる。そうなると相手も必死になるし、こちらはもっと追い込まれる。
負の連鎖、これではイケるものもイケない。だからまだ半人前なのだ。
16歳の春。私の初体験は人生に大きな影響を与えた。しかし、いまはもう後悔はしていない。
あの日、『リッチドール』が教えてくれたことは、人生の教訓としていまも生かされているし、あの日桃色天国駅には行けなかったが、その後は何度もそこへ導かれた。
もしあの日パチンコに勝っていなかったら、いや、あの日パチンコへ行かなかったら、いまどうなっていただろうか。
先の見える人生なんてつまらない。だからこそ僕たちはいまを、与えられた30分という時間に命を燃やすのだろう。
満足のいく射精をするため、悔いのない人生をすごすため、毎日を楽しく輝かせるために、、強い意志を抱いて。。。
おわり。